入浴介助ではまず入浴前に、体温や血圧などを測るバイタルチェックを行います。ここで何か異常があれば無理に入浴させる必要はなく、温かいタオルで体を拭いたり、足だけをお湯につける足浴を行ったりするなど別の選択肢も取ることがポイントです。
入浴前には浴室は22度、脱衣場は24度ほどに暖めておき、浴室と脱衣場の温度差をなくしておくことが重要です。さらに、年配の人は若い人に比べると温度を感じにくいため、お湯は熱くなり過ぎないように注意が必要です。お湯の温度は、夏は38度、冬は40度ほどが目安になります。
浴室ではまず椅子に腰をかけてもらい、シャワーの温度を確かめながら足元からゆっくりとお湯をかけていくことが大切です。体を洗う際にはゴシゴシ擦らず優しく洗い、すすぎ残しがないように気をつけます。また、日常生活動作維持のためには、自分でやれるところは自分でやってもらうことも大事です。
お湯につかる時間は5分ほどが目安で、入浴時間は全体で10分から15分ほどにとどめます。そして、入浴中には体の状態をチェックすることも重要です。皮膚が乾燥していないかや、内出血はないか、掻き傷はないかなど体全体を確認します。
入浴後にはタオルでやさしく水分を拭き取りますが、特に、脇の下や股間などは水分が残りやすいので念入りに行います。その他にも、入浴中には多くの汗をかくので、入浴後には水分補給をしっかり行ってもらうことも大切です。また、必要に応じて爪を切ったり、ローションやクリームで肌を保湿したりすることも大事です。