介護職には多岐にわたる仕事が含まれますが、その中でも3大介護と呼ばれる、最も基本的な業務があります。食事介助もそのうちの一つです。食事介助とは文字通り、一人で食事をとることが難しい人のサポートを行う仕事になります。私たちが普段当たりまえに行っている「食事」という行為は、実際のところ複雑な動作の組み合わせによって成り立っています。
食べ物を箸やスプーンでこぼさないように慎重に口に運び、口を開き、歯で咀嚼し、のどを使って飲み込み、消化することが食事です。この複雑な動作を、私たちは無意識に行っていますが、老化などによって筋力が衰えるとそうはいきません。握力が衰えると食べ物を口に運ぶのが難しくなり、のどの筋力が弱まってしまうと食べたものを正しく飲み込むことができなくなります。
最悪の場合「誤嚥」といって、気管に食べ物が入ってしまっても吐き出すことができず、肺の病気や窒息によって死亡するリスクもあるのです。もちろん、消化器の働きも衰えているため、消化に優しく、栄養バランスの整った食事を用意する必要もあります。こういった諸々の問題に対してサポートを行うのが、食事介助なのです。
食べ物を口元まで運んであげる、咀嚼しやすくまた飲み込みやすい食べ物を用意する、飲み込みやすいように正しい姿勢を保てるように支える、万が一の誤嚥の際は適切な処置を行うなどして、サービスの利用者が健康に長生きできるようにサポートすることが、食事介助の目的なのです。ごえ