入浴は身体を清潔に保ち、心身のリラックスにつながります。血行の促進にもつながるため、できれば積極的に行いたいものです。しかし、入浴すると血圧が急激に変化し、体調を崩す恐れもあります。そこで大切なのが、常に対象者の体調を確認しながら入浴介助を行うことです。まず、入浴前に必ずバイタルチェックを行います。血圧・体温・脈拍・呼吸数を確認し、異常がないか確認してから入浴するようにしましょう。この時、空腹時や満腹時の時はできるだけ避けるようにします。血圧ができるだけ変化しにくい時間帯を選ぶことが大切です。
また、入浴前には脱衣所・浴室を温め、できるだけ室温に差がないようにします。室温の急激な変化があると、血圧が急激に変化する恐れがあるからです。入浴は10分~15分程度、浴槽に入るのは5分程度にしておきます。この時、熱いお風呂に浸かると血圧に急激な変化が生じるため、お風呂の温度は40度程度にしておきます。ただし、心臓病・高血圧など血管に何らかの障害がある場合は37度前後に設定し、肩まで浸からないようにしましょう。
さらに、お風呂から出たらすぐに水分をふき取り、湯冷めしないようにします。お風呂に入った後は水分が不足しがちなので、水分補給もしっかり行いましょう。入浴介助の際、大切なのは常に対象者の状態を確認することです。もし、入浴中・入浴後に異常が生じた場合は、すぐに医師・看護師に連絡するようにしましょう。安全に入浴することが最も大切になります。